白濁釉合掌像/タイ

高さ22.4㎝/スワンカローク出土
スワンカロークとはタイの代表的な古陶磁窯で、窯は中部タイのスワンカローク市の郊外パーヤン村、ツターカ村、バン・コーノイ村に145か所を数えます。この一大製陶地の中心がスワンカローク窯で、スコータイ王朝の14世紀に開かれました。中国陶磁の陶技や様式を受けて、鉄絵陶、青磁、褐釉陶、白釉陶、淡青釉陶などを焼いたようです。日本へは桃山、江戸初期に茶人好みの器物として好まれて輸入され、その後江戸時代にはスワンカロークがなまって宋胡録(寸胡録とも書く)の名称で親しまれるようになり、日本人にもなじみの深い陶磁です。製品は皿、鉢、蓋(ふた)物などの日用品が主です。調べた所、人物像は、何故か首を折ってあるものが多く、当館所蔵のように完品なのは本当に珍しいものです。合掌し祈っている姿は敬虔な仏教徒を彷彿させます。何に使われたかは不明です。

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