黒褐釉魚形平壺/クメール

クメール 黒褐釉魚形平壺
高さ6㎝ 長さ16㎝ 10世紀~12世紀

クメール陶器とは、現在のカンボジアを中心に栄えたクメール王国において焼かれた陶器をいいます。はじめに灰釉(かいゆう)陶器が作られ、12世紀頃より褐釉がさかんになりました。クメール陶磁の壺や瓶はインドの造形を元に、中国の製陶技術が垣間見える特異な焼物で、そのほとんどが祭器として作られたので重厚な作りになっています。この平壺は魚を模していますが、中に粘土の玉が入れられているのか、振るとカラカラと音がします。ユーモアあふれる形とともに、遊び心があったのかとも思われます。

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